今回は、帽子を製作した『東ハット』の工場にフォーカス。東京都北区にあり、20名の熟練した職人がひとつひとつ手作業で製作しています。工場長を勤めるのは、東ハット常務であり、KAORUの従兄弟の東浦正治氏。

東ハット工場長・東浦正治氏は、東浦姉妹の従兄弟。互いをよく知る関係から、あうんの呼吸でクリエイティブに磨きがかかっていく。
今回は、帽子を製作した『東ハット』の工場にフォーカス。東京都北区にあり、20名の熟練した職人がひとつひとつ手作業で製作しています。工場長を勤めるのは、東ハット常務であり、KAORUの従兄弟の東浦正治氏。
東ハット工場長・東浦正治氏は、東浦姉妹の従兄弟。互いをよく知る関係から、あうんの呼吸でクリエイティブに磨きがかかっていく。
KAORUは言います。「トレーニングをすることが自分の仕事だと思っていたけれど、50代になり、生きてきた時間全てが“キャリア”として生かせることを知ったのが、嬉しい!」と。そう、返品やクレームもなく、ディノス用の夏帽が無事ほぼ完売したことで、KAORUの肩書きに『帽子デザイナー』が加わったからです。「カラダオタクで、苦手なことを避けてきた人生を後悔することはたくさんあったけれど(苦笑)、好きなことを極めてきたことで別の道が拓けていくことを50代で知ることができたのは、大きな財産」。
第一弾の夏帽制作で、デザインが完成するまでは楽しかったのですが、いざディノスへ納品するにあたって、当然ですが、“販売するためにしなくてはいけないイロハ”がたくさんあり、初心者の東浦姉妹&スタッフは納品間近には徹夜の作業が続きました(涙)。そう、それは、媒体づくりと共通する“産みの苦しみ”に他ならず、新しいことにチャレンジする際には乗り越えなくてはならない試練。その先の“達成感&幸福感”をたくさん知っている弊社スタッフは、『その日』を目指してひたすら走りました。
東ハットのスタッフから「弊社にデスクを用意しましょうか?」と嫌味?を言われたほど、最後の詰めの段階では、連日修正依頼に来訪していた。ブランド名は「T’s」。弊社のロゴをそのまま使用した商品タグ。
今回帽子をプロデュースするにあたり、コンセプトを考えたのは代表の東浦真弓です。“誰もがカッコ良く被れて、美しく見える帽子”であるということ。「ディノス愛読者の方は、カタログの写真とネームだけで購買を決めます。この媒体はオンリーワンの美容メソッドを提案すること。なので、誰でも似合わないと売れない。でもダサいのは勘弁(笑)。せっかく工場があるんだから無理難題をやる以外、商品を作る意味がなかった」と言います。
コンセプトが決まった後、デザインを引き受けたのがKAORUでした。「コンセプトを聞いて、『やりたい!』と言っちゃったの。プロデューサーを生業とする妹は、要求が厳しく妥協を許さない仕事人。楽しそうだから、と始めてみたものの、セッション終了後に猛勉強する羽目になるわ、実家の職人さんたちにイメージを伝えるのに苦労するわで、実は何度も後悔しました(苦笑)」。
左)株式会社ディノス・セシールに提案した第一弾「オールマイティ・ハンサムハット」企画書。東浦姉妹の帽子愛とファッションセンスが詰まっている。
右)デザインの微差を説明したり、リボンをサンプルからチョイスしたり、と、連日、実家の東ハットに通い詰め。
T’s aproオリジナル帽子第二弾は、「こんな帽子欲しかった〜」と手にした人はみな驚くマルチな帽子。なんと、自由自在に頭もツバも変えられる変幻自在のフエルト帽です。だからといって素材に妥協もありません。絶妙なのり加減で、フエルトの風合いを生かした高級感ある仕上がりも自慢。KAORUが提案する4つの着こなしを参考に、ぜひ自分らしい帽子のお洒落を見つけてください。
例えば・・・
頭部分を折って、中折れにしたり、
両サイドを上げて、テンガロン風にも
T’s apro初のオリジナルブランドとしてリリースした帽子。実はきっかけは、弊社が(株)ディノス・セシール発行の美容カタログ『d-BEAUTY PREMIUM METHOD』を制作していることでした。代表でKAORUの妹である東浦真弓が企画プロデュースしているこの媒体で、「マチュア世代の夏美容としてお洒落な帽子」を探していたところ、予定していた商品がNGに。ディノス担当者が「東浦さんの実家で作れませんか?」と聞いてきたことから、姉妹で、実に20年ぶりに実家の工房を訪ねたのです。
東京の下町・東十条の住宅街にある「東ハット」の工場。ショールームには、職人技が光る逸品たちが多数展示されている。
工場内は、帽子作りの工程ごとに戦前からのレトロな機械が並ぶ。どの工程ひとつとっても熟練の技なくしてできない作業だ。