オリジナル帽子誕生秘話
#04
中折れにも山高にもなり、ツバも自在のフエルト帽完成!
KAORUは言います。「トレーニングをすることが自分の仕事だと思っていたけれど、50代になり、生きてきた時間全てが“キャリア”として生かせることを知ったのが、嬉しい!」と。そう、返品やクレームもなく、ディノス用の夏帽が無事ほぼ完売したことで、KAORUの肩書きに『帽子デザイナー』が加わったからです。「カラダオタクで、苦手なことを避けてきた人生を後悔することはたくさんあったけれど(苦笑)、好きなことを極めてきたことで別の道が拓けていくことを50代で知ることができたのは、大きな財産」。
どんどんハードルを上げてしまいました
KAORUのクリエイティヴィティは止まりません。第二弾は、もっとハードルを上げました。「誰も見たことがないフエルト帽を作りたい!」。“誰にでも似合うカッコ良い帽子”というコンセプトがぶれないことがプロデューサーの妹からのただ一つの条件でした。
「幼稚園帽・・・」。その時、ふと頭をよぎったのは、男女が同じ帽子を被り、誰もが可愛く見える制帽でした。「フエルト帽のイメージソースは幼稚園帽だったんです。だから丸い山型。でも、それだけじゃつまらない。流行りの中折れにもできないかな、と思いつきました」。
「どこにもない」帽子が完成!
そこからは東ハットの常務であり、工場長である従兄弟の正治氏とのセッションでした。
「前後のツバの長さを変えて、どこでも正面になるようにしたい」「リボンは取り外しができるようにしたい」「ツバの形が自在に変えられるようにしたい」などなど、多くの要求に、真摯に応えてくれた正治氏。
「どこにもないものが作りたい、と話すKAORUさんのパッションに、僕も職人として感銘し勝負しました」と話します。そうして完成したのが、こちら。