オリジナル帽子誕生秘話 #02
「誰が被ってもカッコ良くきまる」がコンセプト

今回帽子をプロデュースするにあたり、コンセプトを考えたのは代表の東浦真弓です。“誰もがカッコ良く被れて、美しく見える帽子”であるということ。「ディノス愛読者の方は、カタログの写真とネームだけで購買を決めます。この媒体はオンリーワンの美容メソッドを提案すること。なので、誰でも似合わないと売れない。でもダサいのは勘弁(笑)。せっかく工場があるんだから無理難題をやる以外、商品を作る意味がなかった」と言います。

 

コンセプトが決まった後、デザインを引き受けたのがKAORUでした。「コンセプトを聞いて、『やりたい!』と言っちゃったの。プロデューサーを生業とする妹は、要求が厳しく妥協を許さない仕事人。楽しそうだから、と始めてみたものの、セッション終了後に猛勉強する羽目になるわ、実家の職人さんたちにイメージを伝えるのに苦労するわで、実は何度も後悔しました(苦笑)」。

 

左)株式会社ディノス・セシールに提案した第一弾「オールマイティ・ハンサムハット」企画書。東浦姉妹の帽子愛とファッションセンスが詰まっている。
右)デザインの微差を説明したり、リボンをサンプルからチョイスしたり、と、連日、実家の東ハットに通い詰め。

 

 

エレガントなバイザー

その後、KAORUはデザインを2案完成させました。「ひとつは、エレガントなバイザー。バイザーって日よけ効果が最優先されているせいか、お洒落なモノがあまりないように思っていたんです。だからパンツスタイルのようなカジュアルな装いにも、エレガントな雰囲気のワンピースにも似合うものを作りたかった。帽子を脱いだ時の扱いのも困らないよう、クルクルっと丸めてバックに収められるようにしたのもポイントですね」。

第一弾として発表した「マルチサンバイザー」。誰にでも似合う黒を採用。後ろはリボンがアクセントに。

 

リボンの取り外しができて、2通りのかぶり方が可能。クルクル丸めて持ち運べる点も◎。

どんな人も小顔に見える

そしてもう一つは、ラフィア帽。「こだわりの一つは、ツバ幅。ツバ幅よって顔が大きく見えたり小さく見えたりすることがありますから。ツバを広めにすることで、どんな人も小顔に見えるようにしました。それから、素材。ツバの形をアレンジできるようにしたかったので、素材の柔らかいラフィアを選択。ツバの形を変えるだけで、どんなファッションにも合わせることができます」。“帽子を被りたいけど、どんな帽子が自分に似合うかわからない……”と敬遠していた人にも、この帽子ならステキに装ってもらえると確信。ディノス担当者が「売れそう!」と言ってくれたことで大きく背中を押され、2種類の夏帽が完成したのです!

 トレンドを意識した中折れラフィア帽。マダガスカル産の高級素材の風合いを活かしたソフトなフォルムが秀逸。

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