オリジナル帽子誕生秘話
#05
同じものはふたつとない、“別品”帽
今回は、帽子を製作した『東ハット』の工場にフォーカス。東京都北区にあり、20名の熟練した職人がひとつひとつ手作業で製作しています。工場長を勤めるのは、東ハット常務であり、KAORUの従兄弟の東浦正治氏。
一子相伝のレシピ
帽子作りには、“布帛(ふはく)”と型紙を取って縫い上げていく方法と、“型物”と呼ばれる無縫製の作り方があり、東ハットが手掛けているのは、“型物”という製法。“帽体”という帽子を作りやすいかたちに半成形した帽子材料を、帽子の型に入れて成型する方法です。「帽子の型を定着させるために弊社で使っているのりは、一子相伝のレシピです。前代の親父から受け継ぎ、今は自分が管理しています。のりの加減は帽子の命とも言えるもの。丁寧な工程が弊社の売りですが、特に、帽子の洗練度をつかさどる、微妙な風合いを作るのり作業は、他社に真似できないものと自負しています」と語ります。
ひとりひとりの手によって
すべての工程が職人ひとりひとりの手によって行われるため、まったく同じ帽子というのはありません。東ハットの工場から生まれる帽子は、どれも世界で一つだけの別品なのです。